DCのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。第二回は、再会での挨拶についてです!
今回は一つ、あとがきがあります。ここで例として挙げた “Long time no see”、4つの言葉が音節一つずつで言いやすく、なんだか可愛くて大好きでした。でも、記事を提出した後にもう少し調べたところ、中国からの移民、もしくはアメリカ先住民の英語から来たという語源が差別的なので使うべきでないとする人も、ごく少数いるようです。他方、もはや一般化されているのだから問題ないとする人もいて、賛否両論のようです。米国で移民やマイノリティが大変な思いをしている今だからこそ、そして私もマイノリティだからこそ、誰かが気分を害する可能性のある言葉は使うのをやめるべきかな、と考えさせられました。提出前に気付くべきだったと反省すると同時に、あまりによく使われているので語源を気にしない人も多いかもしれない、とも感じています。記事には入れることができなかったものの、この言い回しのこういった背景も皆様に伝えたいと思って、本投稿に書きました。
My second column in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, is about greetings when you see someone you’ve met before. Once again, I’m so grateful for this opportunity!
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第二回は再会に焦点を当てます。
誰かに再会したとき、最初に交わす言葉として頻出するのは、It’s good to see you とその後に続くHow have you been? です。出勤中に遭遇したり、他の人が一緒にいたりして時間がない場合は社交辞令ということもありますが、そうでなければ近況報告だけで話が膨らみます。久々に会った場合には It’s been a while、意外な場所で会った時には What a nice surprise to see you here などが使えます。目上の方には適切ではありませんが、元同僚などある程度親しい間柄なら、前者にはピジン英語(中国語なまりの英語)から来た Long time no see、後者には It’s nice to run into you などとも言えます。
以前仕事で一緒になった人とのメールでの「再会」は、近況について聞くと、本題以外にもその話題を続けるプレッシャーが生じるため、I hope you have been well や I hope this email finds you well など断定形で書いた方がお互い楽な場合もあります。その応用として季節に触れる表現も、日本語の優美な表現に比べてあっさりしており、I hope you’re having a wonderful summer so far や I hope you’re enjoying the beautiful fall weather などと書けます。前回の仕事に触れてお礼を述べるのが丁寧ですが、Thank you again for kindly speaking at our conference last month など、日本語の「先日はどうもありがとうございました」と違い、具体的に書いた方がよいでしょう。スポンサーなど、日頃からお世話になっている方には、Thank you for your ongoing support of our company など、もう少し大まかに謝意を伝えることができます。
ネットワーキングにおいては、レセプションなどで名刺を交換した後、再会をお願いすることもあるでしょう。最後に会ってから時間が空いてなければ、上記の表現の代わりに、I enjoyed hearing about your work as an attorney など前回の会話の内容に触れつつ、I would like to request an informational interview to learn more about your company や I hope to visit your office to discuss how my organization might serve you などと具体的になぜ会いたいのかを明確にします。日程については、sometime や near future だと漠然としすぎてうやむやになってしまう可能性もあるため、in the coming weeks や in the next month or so と少し幅広い日程を提示すれば、相手も回答しやすいでしょう。
ワシントンDCでは、才能や魅力に溢れる多くの人に会う機会がありますが、誰もがすぐに良い友人関係や仕事関係を築けるわけではありません。人に囲まれる都会だからこそ、気の合う人が見つからないときは、なおさら孤独感を感じることもあります。でも、たまたま出会えた縁をつかみ、再会し続けることで、無数の出会いの中から特別なものを見つけ、人生に取り込んでいくことも可能です。その偶然を必然に変える過程こそが、再会の魅力ではないかと思います。