この投稿は、DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいている連載、「英語 de 敬語」の記事に関するものです。
新型コロナウイルスが蔓延し、精神的にも経済的にも辛い日々が続いています。今月の「英語 de 敬語」では、今のように不安な時期に他者をどのようにいたわるかについて取り上げました。なお、コロナウイルスの影響により、さくら新聞は来月から休刊となってしまいました。再開の時期も決まっていません。広告が減り、多くの地元紙やコミュニティ・ペーパーが苦しんでいます。ジャーナリストの方々は命を張って外で取材を続けており、地元の人々にとっては、感染の状況を知るために今こそ地元メディアが必要なのですから、非常に残念な状況です。たった10日前にこの記事を書いたときには、さくら新聞も休刊となることを知りませんでした。それくらい、状況は刻々と変わり、悪化していっています。一刻も早くこの状況が収束することを願っています。
“Polite Phrases in English (Episode 8): Words of Compassion”
This post is about my column in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston.
These past few weeks have been mentally and financially difficult for all of us. This month’s column discusses how to reach out and comfort others during these uncertain times. Due to the virus, Sakura Shimbun has had to suspend publication–and it’s not clear when it might resume. Many local newspapers are suffering because companies are having to pull ads. This is very concerning, because journalists are risking their lives for us when they go out to cover these important topics–and in order to understand how the infection is spreading, we now need local coverage more than ever. When I wrote this column a mere 10 days ago, I did not know that Sakura Shimbun would be suspended–that’s how rapidly things are becoming worse. I sincerely hope this situation will improve as quickly as possible.
今や世界中で猛威を奮う新型コロナウイルスによって、私たちの生活は一変しました。毎日衝撃的なニュースがあふれ、人と会えず、健康はおろか経済的にも不安が募ります。しかし、だからこそ、自分より大変な状況にいる人々を気遣うと、相手の気持ちを少し楽にすることができ、自分もまた励まされます。今回は、ビジネスの場における敬語という枠組みを超えて、友人・知人・隣人を含め、あらゆる人に対するいたわりの言葉を取り上げます。
今最も大変なのは不眠不休で働く医療関係者の方々だと言えますが、他にも、配達や清掃など、リスクを負いつつ外で仕事を続けている方々が多くいます。 Thank you to you and your colleagues for all that you do. と一言メッセージを送ったり声をかけたりすることで、感謝の気持ちを伝えられます。
飲食業や観光業など、業界によっては、仕事の継続が難しくなってしまった方や、フリーランスや契約の仕事が滞っている方もいます。親しい友人がそういった状況に直面した場合、いろいろと話を聞いた後は、 I would love to help look for any opportunities. Could you let me know what kind of work you might be interested in? などと提案し、別の分野で一時的な職を一緒に探すこともできます。
体調が悪く自己隔離をしている隣人や外出に不安を抱える隣人に対しては、 Is there anything I can get for you, like food or medicine? I’m happy to leave it by your door. といったメッセージを送り、代わりに買い出しに行くこともできます。
友人や同僚と会えず孤独な思いをしている一人暮らしの方や、仕事が減って精神的に辛い方もいるかもしれません。皆大変だからと遠慮して自分から悩みを打ち明けない人もいるでしょうから、 I just wanted to check in with you to see how you’re doing. や I am here for you if you need someone to talk to. などと時々友人にメッセージを送ると、受け取る側は少し気持ちが軽くなるかもしれません。文面だと本音が言いにくそうであれば、 Let’s have a phone date! とある程度の時間を取って電話での会話を持ちかけることもできます。
辛い毎日が続く中、互いを励まし合っている方は多数います。上記の例には、SNSで見かけた投稿や友人の言葉からヒントを得たものも含まれます。物理的な「ソーシャル・ディスタンス」を保たなければならない今だからこそ、心のつながりを強化する必要があります。私たちの多くは医療の最前線にいるわけではありませんが、一人一人の行動によって流行の速度が抑えられることを何度も聞いています。同様に、私たちが一丸となって互いを助け合えば、この苦境をもっと楽に乗り越えられると信じています。