通訳・翻訳は試してこそ適性が分かる

Introduction (the full text in Japanese continues below (日本語の本文が続きます)):

この投稿は、バベル翻訳専門職大学院によるウェブマガジン『The Professional Translator』に寄稿させていただいたものです。

今回は「翻訳と通訳の向き不向きや適性」というテーマをいただきました。通訳は本番に強い人が向いており、翻訳はもう少し時間をかけて作業をしたい人が向いている、という点はよく知られています。でも、さらに細かく見ていくと、通訳も翻訳も、分野(外交、法律、文化など)によって仕事の仕方が大きく異なるため、適性もそれぞれなのではないかと思っています。通訳・翻訳に関心のある方は、いろいろと経験してみることをお勧めします。

“Exploring Various Fields in Interpretation and Translation, and Knowing What Makes You Happiest”

Below is an article I wrote for The Professional Translator, the web magazine of a translation graduate school called Babel. The assigned theme was about aptitudes needed for interpretation and translation.

There are well-known, general characteristics: those who like in-person exchanges and travel might be happier as interpreters, while those who like to spend time choosing the perfect words are likely better as translators. But there are also vast differences depending on the field. These include conference interpretation, court interpretation, interpreting on stage at an event, subtitling, and technical translations. I didn’t realize how different these were until I had the opportunity to explore them. In addition, with my love for reading and writing, I initially thought I would be happier as a translator–but ended up being more of an interpreter, mostly because I’ve enjoyed traveling and meeting experts from various fields. To anyone who is considering a profession in interpretation or translation, I recommend taking on a variety of jobs–only then will you learn what truly makes you happy.

通訳と翻訳という二つの職業への適性は、ある程度、人によって異なると思います。しかし、苦手だと思っていたことが案外楽しいこともあるため、自分がどちらに向いているかという判断を行うには、いろいろな経験を積むことが重要だと思います。また、通訳も翻訳もかなり幅が広く、法律や文化など、分野によって求められるスキルが大きく異なるという点も留意しなければなりません。

今の私が通訳者であることを子供の頃の私が知れば、きっと驚くと思います。家で本を読んでばかりだった私は、むしろ、世界中の子供たちに素敵な夢を届ける童話の翻訳者という仕事に憧れていました。通訳に関しては、国連などで大勢があらゆる言語で早口に話すかっこいいイメージがあり、自分にはあまり縁がないと思っていました。でも、ワシントンDCに来てから通訳に触れ、考えが変わりました。世界をより良い場所にしようと志す人たちが各地から集まるこの町で通訳を行うと、微力ながら国際協力に貢献できることに、非常にやりがいを感じます。最初は少し苦手だった人との交流も、今では逆に楽しめるようになりました。職業への適性というのは、やってみなければ分からないのだと実感しています。

通訳者には、人と接することが好き、本番に強い、などといった全般的な特徴がありますが、分野によっても、求められるスキルが異なると思います。たとえば、招聘プログラムの通訳として、日本からの訪問者数名と数週間全米各地をまわる仕事では、自分もよく知らない場所で初めて会う方々を案内し、アポの時間などの詳細にも気を配らなければなりません。幸い、これまで私は温かい参加者にばかり恵まれており、GPSのおかげで迷ったりする問題も起きていません。サクラメントの発電所、移民を支援するマイアミのNPO、アーカンソーの林野庁など、自分では行く機会のない所を一緒に訪ねながら、あらゆる事柄について学び、楽しい経験をしています。

会議通訳としては、ブースで同時通訳を行うことが多いです。一日会議室にこもっているたため、招聘プログラムに比べると、心身ともに人と距離があり、少し事務的です。しかし、緊張した雰囲気の場合が多いですし、聞き取れない言葉があっても話を止められない分、通訳としてのスリルは倍増します。失敗を気にすると、次の話を聞き逃してしまい、さらに間違いが増えます。そういった意味で、ある程度、分からないことや失敗に固執しない楽観主義と、ハプニングがあっても聞き手に支障がないように訳し続ける機転が求められます。

イベントの逐次通訳もまた特殊です。美術や芸術に関する講演では、アーティストの隣で舞台に立つこともあります。普段は黒子の通訳者がここでは注目され、通訳もパフォーマンスの一環となります。話者はもちろんのこと、観客とも目を合わせて、話者が意図したタイミングで観客が感動し、驚き、笑ってくれるよう、分かりやすい表現や言葉を発するテンポに気を配ります。人に楽しんでもらいたいという意思が重要な仕事だと思います。

私自身はまだ経験していませんが、法廷通訳などでは、何よりも正確性が重要になると理解しています。大変なプレッシャーのもとで証人の逐次通訳を行い、聞き取れない言葉や意味が不明瞭な言葉に関しては聞き返すことができるものの、まず判事の許可を取らなければならない、と聞いています。何事にも動じない、慎重な方が向いているかと思います。

翻訳もまた、分野によって適性や好みが分かれると思います。軍事や医療など、専門的な内容の翻訳では、決まった用語や表現に徹しますし、日米関係や社会に貢献しているというやりがいを感じます。字幕翻訳では、一秒間に読める字数が限られていることから、要点を押さえつつ簡潔に内容を伝えるクリエイティビティが求められます。最近、音楽家のアルバムの曲名を訳す機会に恵まれましたが、ぎゅっと意味が凝縮された曲名は詩のようで、ご本人に話を聞く以外にも、曲を聴いて理解するという、普段とは違う感性を使うことができました。どの分野の翻訳にも一貫して言えることは、通訳同様、話し手や書き手の立場やメッセージをしっかり理解して、淡々と事実を伝えるなり、情熱的に訴えるなり、原文と同じ温度で書くことだと思います。

今、コロナの影響で、北米での通訳の仕事はほぼすべてバーチャルになっています。対面での人との出会いや出張という利点が今の通訳にはありませんが、その分、自宅のパソコンで作業ができるという意味では翻訳に近い状況になり、家を離れることができない人にも機会が広がりました。各分野への適性は、やってみてこそ分かるものですし、通訳と翻訳の距離が縮まっている今だからこそ、双方のいろいろな仕事を試してみるよい機会かと思います。

コロナ禍で変わる通訳の世界と、縮まる翻訳との距離

Introduction (the full text in Japanese continues below (日本語の本文が続きます)):

この投稿は、バベル翻訳専門職大学院によるウェブマガジン『The Professional Translator』に寄稿させていただいたものです。

翻訳と通訳の距離」というテーマをいただき、コロナによって通訳業界が大きく変わり、翻訳との距離がぐっと縮まっていることについて書かせていただきました。刻々と状況が変わっていく中で、今後どうなるかは誰にも分かりませんが、変化を前向きに捉え、楽しんで仕事し続けたいと思っています。

“Changes in the Interpretation Industry During the Coronavirus Era, and Similarities with Translation”

Below is an article I wrote for The Professional Translator, the web magazine of a translation graduate school called Babel. The assigned theme was about the distinction between interpretation and translation. I discuss how with the coronavirus, the interpretation industry is rapidly changing and becoming similar to translation in several ways.

Namely,
1. with fewer interpretation assignments, more interpreters are also working as translators;
2. interpretation assignments are now mostly remote, just like translation;
3. since geography is less important now (except for time difference constraints), interpreters are relying even more on their quality of work, expertise, and networks in order to compete with the rest of the world; and
4. now that events are held online, ways to provide virtual multilingual support are growing beyond simultaneous interpretation and post-production subtitles, further blurring the line between interpretation and translation.

Although it’s unclear what the future will bring, I hope to remain positive about these fascinating changes, and continue to enjoy my work.

初めまして、ワシントンDCに拠点を置く、フリーランスの通訳者の岡崎詩織と申します。

翻訳と通訳の距離を考えるにあたり、今ほど素晴らしいタイミングはないと思います。コロナを受けて対面の仕事がほとんどなくなったことから、通訳業界は大きく変わり、翻訳との距離がぐっと縮まりました。時折翻訳に携わる通訳者として、今起きている変化と、それに今後通訳者や翻訳者がどのように対応できるかについて、考えを述べたいと思います。 
  
まず、通訳と翻訳の兼業をされている方は増えているのではないかと思います。今年3月中旬に米国でコロナが蔓延し始めて対面のお仕事ができなくなり、私も通訳の依頼がいったんすべてキャンセルになりました。ありがたいことに翻訳のお仕事に恵まれ、そちらに舵を切ることができましたが、私の周りの通訳者も、今は翻訳に力を入れている方が多いです。

また、遠隔の通訳が可能になったことから、通訳は、翻訳同様、どこでもできるようになりました。5月くらいから、私にも徐々に遠隔通訳の依頼が入ってきました。逐次通訳はどのような電話会議のシステムでもできます。遠隔同時通訳(Remote Simultaneous Interpretation: RSI)はこれまで、専門のプラットフォームで提供されるニッチなものでしたが、コロナで一気に注目されるようになりました。Zoomのウェビナー機能でもRSIが可能になり、クライアントや視聴者にとっても身近なものになりました。ただ、時差という意味で、ある程度の地理的制限はあります。日本と米国東海岸は昼夜が逆転しており、お仕事は大体早朝か夜に入ります。場合によっては、こちらの午前2時や3時に終わるRSIもあり、身体のリズムを整え直すのに何日かかかってしまいます。

地理的な場所がそれほど重要でなくなると、通訳者は、これまで以上に世界中の同業者と競争することになります。ある意味市場が一つになるため、居住地にかかわらず、安価なサービスを提供する通訳者に仕事が流れてしまうのではないか、という懸念もあります。その点、私は、翻訳者から学べることが多いと感じています。翻訳者の方々は以前から、地理的制限のない市場で活躍され、仕事の質や評判、専門性の確立、人的ネットワークなどで依頼を獲得されてきたと思います。通訳の世界でも、業界全体が大きく揺らいでいる今の不安定な状況において通訳者同士のネットワークが強化され、私も、RSIのコツから自宅での通訳に使える最新の機器まで、先輩通訳の方々に多くのことを教えていただいています。

最後に、オンラインのセミナーやイベントといった場でも、通訳と翻訳の距離が縮まっていると感じます。私は昨年末まで、日米関係の強化に携わる非営利団体で働いていました。対面のイベントや人物交流ができなくなった今、そういった組織は、活動をオンラインに移行する中で、コンテンツをいかに日英の両言語で提供するかについて、いろいろな工夫を行っています。Zoomを使ったセミナーにその場で逐次・同時通訳を入れることが多いですが、事前にセミナーを録画し、後から映像に字幕をつけることもあります。また、字幕は作成に時間がかかるため、事前に録画した映像に同時通訳を付けて保存するもの、イベント開催中にリアルタイムでキャプションを打ち出すものなど、これまでにないクリエイティブな対策も散見します。9月7日号のニュースレターで、堀田副学長は、「メディア翻訳は翻訳と通訳の領域にまたがっている」と指摘されましたが、まさにそういった領域横断的な仕事が増えてきています。字幕翻訳は、限られた字数の中、分かりやすさを重視した意訳も必要で、パズルのような楽しさがあります。映像の同時通訳が永久に保存されることに私はまだ少し抵抗を感じていますが、オンラインのイベント増加に伴いそういった機会は増える可能性があるため、今後選択肢の一つとして考えたいと思っています。リアルタイムのキャプション翻訳についても、口頭の同時通訳以上に難しいのではないかと感じ、打ち間違えることを懸念して辞退しましたが、そういった照会が複数の組織からあったため、今後通訳・翻訳の一つの新しい手法として広がる可能性はあるのかもしれません。

変わりゆく世界で活動を続けるために、専門性を高めつつも、新しい傾向やツールを柔軟に学んでいきたいと感じています。数年前には考えられなかったRSIがたった半年で一般的になったように、複数の言語でコンテンツを提供する方法が、あらゆる意味で大きく変わってきています。RSIのプラットフォーム、字幕のツールなど、語彙や時事問題以外にも勉強内容が増えましたが、もともと好奇心旺盛な通訳者や翻訳者にとっては、楽しい変化でもあるのではないかと思います。コロナが収束すれば対面の仕事はある程度戻ってくると思いますが、恒久的な変化もあるでしょうし、今身に付けたスキルは、今後も役に立つと確信しています。

英語 de 敬語 ⑧ いたわりの言葉のかけ方

Introduction (the full text in Japanese continues below (日本語の本文が続きます)):

この投稿は、DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいている連載、「英語 de 敬語」の記事に関するものです。

新型コロナウイルスが蔓延し、精神的にも経済的にも辛い日々が続いています。今月の「英語 de 敬語」では、今のように不安な時期に他者をどのようにいたわるかについて取り上げました。なお、コロナウイルスの影響により、さくら新聞は来月から休刊となってしまいました。再開の時期も決まっていません。広告が減り、多くの地元紙やコミュニティ・ペーパーが苦しんでいます。ジャーナリストの方々は命を張って外で取材を続けており、地元の人々にとっては、感染の状況を知るために今こそ地元メディアが必要なのですから、非常に残念な状況です。たった10日前にこの記事を書いたときには、さくら新聞も休刊となることを知りませんでした。それくらい、状況は刻々と変わり、悪化していっています。一刻も早くこの状況が収束することを願っています。

“Polite Phrases in English (Episode 8): Words of Compassion”

This post is about my column in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston.

These past few weeks have been mentally and financially difficult for all of us. This month’s column discusses how to reach out and comfort others during these uncertain times. Due to the virus, Sakura Shimbun has had to suspend publication–and it’s not clear when it might resume. Many local newspapers are suffering because companies are having to pull ads. This is very concerning, because journalists are risking their lives for us when they go out to cover these important topics–and in order to understand how the infection is spreading, we now need local coverage more than ever. When I wrote this column a mere 10 days ago, I did not know that Sakura Shimbun would be suspended–that’s how rapidly things are becoming worse. I sincerely hope this situation will improve as quickly as possible.

今や世界中で猛威を奮う新型コロナウイルスによって、私たちの生活は一変しました。毎日衝撃的なニュースがあふれ、人と会えず、健康はおろか経済的にも不安が募ります。しかし、だからこそ、自分より大変な状況にいる人々を気遣うと、相手の気持ちを少し楽にすることができ、自分もまた励まされます。今回は、ビジネスの場における敬語という枠組みを超えて、友人・知人・隣人を含め、あらゆる人に対するいたわりの言葉を取り上げます。

今最も大変なのは不眠不休で働く医療関係者の方々だと言えますが、他にも、配達や清掃など、リスクを負いつつ外で仕事を続けている方々が多くいます。 Thank you to you and your colleagues for all that you do. と一言メッセージを送ったり声をかけたりすることで、感謝の気持ちを伝えられます。

飲食業や観光業など、業界によっては、仕事の継続が難しくなってしまった方や、フリーランスや契約の仕事が滞っている方もいます。親しい友人がそういった状況に直面した場合、いろいろと話を聞いた後は、 I would love to help look for any opportunities. Could you let me know what kind of work you might be interested in? などと提案し、別の分野で一時的な職を一緒に探すこともできます。

体調が悪く自己隔離をしている隣人や外出に不安を抱える隣人に対しては、 Is there anything I can get for you, like food or medicine? I’m happy to leave it by your door. といったメッセージを送り、代わりに買い出しに行くこともできます。

友人や同僚と会えず孤独な思いをしている一人暮らしの方や、仕事が減って精神的に辛い方もいるかもしれません。皆大変だからと遠慮して自分から悩みを打ち明けない人もいるでしょうから、 I just wanted to check in with you to see how you’re doing. I am here for you if you need someone to talk to. などと時々友人にメッセージを送ると、受け取る側は少し気持ちが軽くなるかもしれません。文面だと本音が言いにくそうであれば、 Let’s have a phone date! とある程度の時間を取って電話での会話を持ちかけることもできます。

辛い毎日が続く中、互いを励まし合っている方は多数います。上記の例には、SNSで見かけた投稿や友人の言葉からヒントを得たものも含まれます。物理的な「ソーシャル・ディスタンス」を保たなければならない今だからこそ、心のつながりを強化する必要があります。私たちの多くは医療の最前線にいるわけではありませんが、一人一人の行動によって流行の速度が抑えられることを何度も聞いています。同様に、私たちが一丸となって互いを助け合えば、この苦境をもっと楽に乗り越えられると信じています。

英語 de 敬語 ⑦ 好意の伝え方

DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月はバレンタインに言及しつつ、ビジネスの場における、人や物に対する好意の表明の仕方を取り上げました。

My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, touches upon Valentine’s Day and discusses how to express positive feelings for people and objects that you like.

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お店やレストランが赤やピンクに包まれるバレンタインは、寒く暗い2月の日々にわくわくした楽しさや温かさをもたらしてくれます。ビジネスは恋愛と無縁の場合が多いかもしれませんが、人や物に対する好意を表明する機会は少なくありません。そこで今回は、そういったポジティブな気持ちの伝え方を取り上げます。

まず、人事評価などで、上司、同僚や部下に対する評価を第三者から聞かれた場合。少し稚拙に聞こえる like よりも、 respect admire といった言葉を使った方がよいかもしれません。米国はセクハラやパワハラなどにとても敏感なため、誤解を招かないように、その人個人への感情よりも、 I admire the way she treats all employees fairly. や、 I appreciate how resourceful and efficient he is. といった形で、その人の長所やスキルに対する好意を示した方がよいでしょう。

また、学生や部下の推薦状を依頼される教授や上司は多いでしょうし、転職を考える部下が応募した会社から、「レファレンス」として電話やメールでその人の評価を聞かれる上司も多いでしょう。 I was always impressed with his thorough research and insightful essays. と主観で言う以外にも、 Her subordinates told me she was a reliable and trustworthy boss. と周りの評価も交えることもできます。一緒に仕事をしたことがある業者について、誰かに非公式に聞かれた場合も、 She is a copywriter who always captures perfectly what we want to say. などと褒めることができます。

仕事に応募した人や外部の人から、自分の職場についての考えを聞かれる場合もあるでしょう。これには I love how we make a difference in people’s lives. I’m proud of the innovative products we make. といった言い方ができます。自分の職務についての意見を聞かれれば、 I enjoy publicizing the accomplishments of our talented students and faculty. などと答えられます。

日々の業務の中でも、好みを他者に伝えることがあります。デザイナーなどの業者とのやり取りの中で、いくつかの選択肢から一つ選び、細かな点を変えていく場合には、 prefer という言葉が便利です。 We prefer the black one. などと特定できますし、 Our preference would be to use a brighter color palette. など、選択肢にない希望も伝えられます。好ましくない状況も、 We’d like to replace the purple with blue. Would you please enlarge our logo? など、代替案を交えれば分かりやすく、柔らかく聞こえます。

ビジネスの場での好意の表明は、遠回しな表現を使ってポジティブな点のみ取り上げるため、人間関係を円滑にする義理チョコと似ているかもしれません。そんな中でも、称賛のさじ加減で、好意の程度を相手に量ってもらうことはできます。本当に好きな人や物は、言葉を惜しまず、甘さ全開で褒めたいものです。

英語 de 敬語 ⑥ 目標の掲げ方

DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月は新年(そして2020年代!)の抱負に絡めて、目標の掲げ方を取り上げました。

My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, touches upon resolutions for the new year (and new decade!), and discusses how to establish goals and objectives. Once again, I’m so grateful for this opportunity!

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今月は本年のみならず、2020年代の幕開けです。今年、ひいては今後10年間の抱負を立てた方も多いのではないでしょうか。抱負は道筋であり、その先にはなりたい自分という目標があると言えるでしょう。そこで今回は、目標の掲げ方に焦点を当てます。

抱負自体は個人的なもので、日記に留めておくだけの方もいるかもしれません。しかし、最近は新年の挨拶ととともにSNS等で宣言する方もいますし、会話で登場する場合もあるでしょう。 My New Year’s resolution is to exercise at least three times a week. や、 I resolve to spend more time with loved ones this year. などという言い方ができます。

ビジネスでは、目標を立てる場面が多くあります。まず、ウェブサイトなどで大きく外部に宣言する場合。実現に強い自信がある場合は、 We will eliminate plasticware in our city by 2021. など、未来形で決意を表明します。企業や団体の使命などでは、 We aim to strengthen U.S.-Japan relations. など、大局的な表現が使われます。使命を実現するための手段など、より具体的で短期的な意思表明には、 We intend to host three bilateral conferences per year. などと言うことができます。

日々の仕事における部内の目標では、数値も入れた objective を使うことが多く、 Our objective is to increase sales by 10% within the next year. などと言えます。(なお、より知名度の高い goal という言葉は、国連の SDGs(Sustainable Development Goals; 持続可能な開発目標)のように、長期的で幅広いものに使います。) Intend より具体的で口語的な plan は、 We plan to submit our draft video by next week. など、普段のやり取りの中で予定を伝える場合に使えます。

組織を立ち上げたばかりでまだ使命を書いていない場合や、実現したいことが数値で測りにくい場合にも、外部に大まかな方向性を示すことは可能です。 We are working to provide more educational opportunities to children. We strive to instill confidence in high school girls. といった表現は、どのような理想のもとに活動しているのかを伝えることができるでしょう。

実現の目途が立ちにくい内容に関しては、希望として伝えることもできます。大局的な話では、 We aspire to bring equality to all citizens. と言えますし、職場のやり取りでは、 While I am waiting for some additional data, I hope to send you the draft report very soon. などと言えます。

目標は楽しいと同時に苦しいものです。新年や節目に明るい未来や新しい自分を思い描く過程はわくわくします。しかし、期限が過ぎた後に目標がどれだけ達成できたかを分析し、至らなかった点を反省するのは、多くの場合苦痛に感じられるでしょう。それでも毎度改善に努めるからこそ、私たちは前に進むことができます。2020年、そして今後10年間が皆様にとってこれまで以上に良いものになることを祈念します。

英語 de 敬語 ⑤招待への返事の仕方

DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月はホリデーパーティーなどの招待への返事の仕方を取り上げました。

My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, discusses how to respond to invitations to holiday parties and other events. Once again, I’m so grateful for this opportunity!

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日本の年末は極めて慌ただしいですが、米国でもホリデーパーティーなどの予定が立て込みます。多くの誘いが重なると、適切な手土産や失礼に当たらない断り方など、気を遣う場面も増えるでしょう。そこで今回は、個人的な招待への返事の仕方を取り上げます。

欠席する場合には、招待へのお礼とともに、 This sounds like a wonderful event, and I’m sorry to miss it because of work commitments. や、 I would love to attend, but I’m afraid I will be out of town visiting my parents. など、都合がつかない理由も含めて丁寧に断ると、次回も声をかけてもらえる可能性が高まるでしょう。

出席可能となると、今度はいろいろ確認すべきことが出てきます。他に予定があるものの部分的に出席したい場合には、 Would you mind if I arrive half an hour late, since I have a conference call that ends at 6pm? や、 May I leave around 8pm to prepare for my business trip the next day? など、理由や時間も含めて聞くとよいでしょう。

家族や恋人(「プラスワン」)を連れてきてよい場合は、 I would love to attend with my spouse, Tim Cratchit. など、自分との関係と名前を書くといいでしょう(家族で別姓の方も多いため、ネームカード等がある可能性のある公式なイベントでは、フルネームで書いた方がホストに親切です)。お子さんと参加したい方は、 May I bring my ten-year-old daughter? など、年齢も含めて確かめた方がよいでしょう。

ホームパーティーの場合は、ポットラックでなくとも、 Please let me know if there’s anything that I can bring. と聞くと丁寧です。多様な人たちが集まる米国は、健康や信念に基づく食事制限がある方も多く、アレルギーにもとても気を遣いますので、何か持参する前に、 Do you or your guests have any food allergies or dietary restrictions? と確認した方が安全でしょう。

少し難しいのは、集合時間です。座って食事をする場合は遅れると失礼にあたりますが、立食のビュッフェやポットラックであれば、時間通りに行くと他に誰もおらず、忙しいホストに気を遣わせてしまうこともあります。事前に説明がない場合には、 Am I correct that this is a sit-down dinner? などと確認できます。さらに I plan to arrive before 7pm. などと到着予定時刻を知らせると、もう少しゆっくり来た方がよければその旨お返事があるでしょう。

この時期は町中がライトや飾りつけでキラキラしていますが、様々なイベントで人と会ったり、年内に仕事をまとめたり、プレゼントを買ったりと忙しいあまり、せっかくの景色に気付かず素通りしてしまうことがあります。たまには長い「やることリスト」を忘れ、温かい飲み物を手に一息ついて、今の季節を楽しむのもいいかもしれません。

2010年代も残りわずか。皆様、よいお年をお迎えください。

英語 de 敬語 ④感謝の気持ちの伝え方

DCのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月はサンクスギビングに合わせて、感謝の気持ちの伝え方についてです。

My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, touches upon Thanksgiving and how to express our gratitude to others. Once again, I’m so grateful for this opportunity!

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秋もすっかり深まり、サンクスギビング(感謝祭)が近づいてきました。感謝の気持ちを誰かに伝える機会は年間を通じて多いと思いますが、特にこの季節は、実り豊かな食材と、それを共に楽しむ家族や友人に対する感謝の気持ちを再確認する時期です。そこで今回は、お礼の述べ方に焦点を当てます。

まず、丁寧かつ柔軟な appreciate は、様々な場で使えます。 We extend our sincere appreciation to all sponsors of this program. など、「深く御礼申し上げます」に相当する形にすることもできれば、口語的な言葉と組み合わせ、 I really appreciate your help. など、同僚へのお礼の一言にすることもできます。

個人的な感謝の気持ちがこもった grateful は、形容詞として We are so grateful for the opportunity to work with you. 、名詞として I’d like to express my gratitude to everyone who helped edit my book. といった表現に使えます。 Appreciate とともに依頼にも応用でき、 We would appreciate it if you could fill out our survey. I would be grateful for any feedback. などとすることもできます。

日頃からお世話になっている人へのとっておきの言葉として、 thankful もあります。 I am thankful to have met a wonderful mentor like you. といった風に、人間関係などの深く長期的な内容に関し、真摯な感情を表現したいときに使えます。

感謝の気持ちを伝えるとき、相手のおかげで何が変わったかを明確にすると、さらに効果的です。 Thanks to your tutoring, my grades improved significantly. や、 Because of you, I was able to adapt immediately to my new workplace. などと言えます。文法を少し変え Your generous donation enabled me to attend the college of my dreams. などとすることもできます。

Thank you も、文章を閉じるときにいろいろな形で使えます。おそらく了承を得られるであろう小さな依頼は、 Thank you in advance. で終えられます。相手を待たせているときは、遅れている理由や謝罪とともに Thank you for your patience. と書きます。求職の手紙は、候補者として検討してもらうことへの感謝を込めて、 Thank you for your consideration. という一文で閉じることが多いです。了承を得られるか分からない大きな依頼は、「ご検討のほど、よろしくお願い致します」に相当する、 Thank you for considering this request. で終えられます。

サンクスギビングでは、街が嘘のように静かになり、単身で来ている人や引っ越して来たばかりの人には、晩秋の冷たい風が余計に身にしみるかもしれません。そんなとき、友人や同僚のお宅に招いてもらうと、最初は緊張して輪に入りにくかったとしても、何時間もかけて作られたおいしい手料理などを囲み、米国ならではの伝統を楽しめることが本当にありがたく、身も心も温かくなるものです。そういった機会にこそ、後でお礼のメッセージを綴ってみてはいかがでしょうか。

英語 de 敬語 ③謝罪の仕方

DCのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月はちょこっとハロウィンに絡めて、謝罪の仕方についてです。

My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, touches upon Halloween and what we fear most in business – and how to fight that by apologizing effectively. Once again, I’m so grateful for this opportunity!

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もうすぐハロウィン。街中がお菓子と偽物のお化けやモンスターで溢れています。

しかし、ビジネスで怖いのは、モンスターではありません。むしろ、クライアントや取引先の気分を害したり、信頼を損ねたりすることが懸念の一つではないでしょうか。

そういった場合に備えて、第3回は謝罪に焦点を当て、よく知られた I’m sorry 以外の言い方をご紹介します。

まず、アポのタイミングが合わないなど、軽い謝罪の場合。こちらの都合がつかない時を相手が提案した場合は、 Unfortunately, I will be traveling for business that week. など、ちょっとした謝罪で済みます。

しかし、相手が特に忙しい方で、随分前に申し込んだアポが実現しそうとなると、指定された日を断わるのにも気を遣います。その場合には、「たまたま状況がよくないことが残念」という意味合いのある unfortunately よりも、個人的な悔いの気持ちを込めて regret を使うことができます。回答に謝意を表明しつつ、 I regret that I will be out of town to attend my friend’s wedding. など、動かせない日程なのを明らかにして、他の日について聞くのがよいでしょう。

他にも謝罪の気持ちを真摯に表明する言葉として、 I’m afraid that . . . を使うこともできます。 I’m afraid that I did not realize we had misspelled your name in the book. など、組織としての間違いでも責任者や担当者として個人的に謝罪することができます。相手との関係やミスの内容によってはメール以外に電話や訪問をすることが丁寧かもしれませんが、その場合には、もう少し口語的な I’m very sorry などを織り交ぜつつ、改善する決意を伝えられるでしょう。

深い謝罪が必要な場合は、 Please accept my sincere apologies that I must cancel my contract with you. などとすることができます。もう少し軽くて済む場合には sincere を抜くことができますし、ごく小さなミスについては、更に短縮して My apologies, I forgot to attach our estimate to my last email. などと書けます。

日本から見ると、訴訟大国の米国では安易に謝らない方がよいというイメージがあるかもしれません。損害があればもちろんそうですし、組織としてミスを犯した場合は、十分周りと話し合ってから外部に対応した方がよいでしょう。

他方、日常生活でもビジネスでも、軽いものから深刻なものまで、謝罪が必要な場面に必ず遭遇します。本当に相手の信頼を失うこともありますが、多くの場合、心を込めた謝罪と改善に向けた努力はきちんと伝わり、理解してもらえると感じます。

怖いのは相手ではなく、間違いの後に膨らむ、相手の気持ちや反応に対する想像です。それこそが、謝罪で退治できる偽物のモンスターかもしれません。

英語 de 敬語 ②再会での挨拶の仕方

DCのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。第二回は、再会での挨拶についてです!

今回は一つ、あとがきがあります。ここで例として挙げた “Long time no see”、4つの言葉が音節一つずつで言いやすく、なんだか可愛くて大好きでした。でも、記事を提出した後にもう少し調べたところ、中国からの移民、もしくはアメリカ先住民の英語から来たという語源が差別的なので使うべきでないとする人も、ごく少数いるようです。他方、もはや一般化されているのだから問題ないとする人もいて、賛否両論のようです。米国で移民やマイノリティが大変な思いをしている今だからこそ、そして私もマイノリティだからこそ、誰かが気分を害する可能性のある言葉は使うのをやめるべきかな、と考えさせられました。提出前に気付くべきだったと反省すると同時に、あまりによく使われているので語源を気にしない人も多いかもしれない、とも感じています。記事には入れることができなかったものの、この言い回しのこういった背景も皆様に伝えたいと思って、本投稿に書きました。

My second column in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, is about greetings when you see someone you’ve met before. Once again, I’m so grateful for this opportunity!

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第二回は再会に焦点を当てます。  

誰かに再会したとき、最初に交わす言葉として頻出するのは、It’s good to see you とその後に続くHow have you been? です。出勤中に遭遇したり、他の人が一緒にいたりして時間がない場合は社交辞令ということもありますが、そうでなければ近況報告だけで話が膨らみます。久々に会った場合には It’s been a while、意外な場所で会った時には What a nice surprise to see you here などが使えます。目上の方には適切ではありませんが、元同僚などある程度親しい間柄なら、前者にはピジン英語(中国語なまりの英語)から来た Long time no see、後者には It’s nice to run into you などとも言えます。

以前仕事で一緒になった人とのメールでの「再会」は、近況について聞くと、本題以外にもその話題を続けるプレッシャーが生じるため、I hope you have been wellI hope this email finds you well など断定形で書いた方がお互い楽な場合もあります。その応用として季節に触れる表現も、日本語の優美な表現に比べてあっさりしており、I hope you’re having a wonderful summer so farI hope you’re enjoying the beautiful fall weather などと書けます。前回の仕事に触れてお礼を述べるのが丁寧ですが、Thank you again for kindly speaking at our conference last month など、日本語の「先日はどうもありがとうございました」と違い、具体的に書いた方がよいでしょう。スポンサーなど、日頃からお世話になっている方には、Thank you for your ongoing support of our company など、もう少し大まかに謝意を伝えることができます。

ネットワーキングにおいては、レセプションなどで名刺を交換した後、再会をお願いすることもあるでしょう。最後に会ってから時間が空いてなければ、上記の表現の代わりに、I enjoyed hearing about your work as an attorney など前回の会話の内容に触れつつ、I would like to request an informational interview to learn more about your companyI hope to visit your office to discuss how my organization might serve you などと具体的になぜ会いたいのかを明確にします。日程については、sometimenear future だと漠然としすぎてうやむやになってしまう可能性もあるため、in the coming weeksin the next month or so と少し幅広い日程を提示すれば、相手も回答しやすいでしょう。

ワシントンDCでは、才能や魅力に溢れる多くの人に会う機会がありますが、誰もがすぐに良い友人関係や仕事関係を築けるわけではありません。人に囲まれる都会だからこそ、気の合う人が見つからないときは、なおさら孤独感を感じることもあります。でも、たまたま出会えた縁をつかみ、再会し続けることで、無数の出会いの中から特別なものを見つけ、人生に取り込んでいくことも可能です。その偶然を必然に変える過程こそが、再会の魅力ではないかと思います。

英語 de 敬語 ①自己紹介の仕方

第一面に「新連載」と書いていただき感動しました!

DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』でコラムを書かせていただくことになりました。「英語 de 敬語」という連載です。 いろいろな状況を想像したり、決まったテーマや文字数の中にどうやって自分らしさを出すか考えたり、とっても楽しいです。素晴らしい機会をいただけたご縁に感謝しています! 8月24日に出た第一回の原稿は下記の通りです。

I now have a column in Sakura Shimbun, a Japanese community paper in DC and Houston. It’s about English phrases that can be used for business or other formal occasions. The first of the series is about self-introduction, and came out on August 24. I’m so grateful for this opportunity! The text is as follows.

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初めまして、岡崎詩織と申します。日米双方で子供時代を過ごし、コミュニケーションで苦労した経験を糧に、今は英語と日本語で広報や通訳の仕事を行っています。本連載では、ビジネスの場面で使える丁寧な言い回しを取り上げたいと思います。

初回は自己紹介に焦点を当てます。

英語の授業で頻繁に登場するフレーズ、My name is . . . は、実際には、事前登録した場(イベントの受付、予約していたレストランや診察室など)であったり、誰かが自分の名前を間違えたためそれを訂正するといった場合でない限り、面と向かって使うことはなかなかありません。Hi または丁寧な Hello の後に I’m . . . と続けて名乗りましょう。

Nice to meet you の後に続く日本語の鬼門フレーズ「よろしくお願いします」は、ビジネスの場では I look forward to working with you が使えますが、それ以外では不要です。ビジネス以外の場面で筆者がこの日本語を訳さざるを得ない場合には、 I look forward to getting to know you などとしますが、本来は家族・友人の結婚相手や親友など、今後長く親密な付き合いとなる場合に使うフレーズです。

自分から知らない人にメールや電話をする場合には、My name is . . . が妥当です。メール上の「初めまして」には Nice to e-meet you などが使え、第三者が紹介した場合には、As mentioned by Shiori, I work at . . . といった形で、紹介者が使った内容を簡単に繰り返すことでより強く印象に残るかと思います。

ワシントンにおいて欠かせないのがネットワーキング。誰も知る人がいなくても、仕事やキャリアアップのため、イベントに参加しなくてはならないことがあります。レセプションにおいて重要なのが「スモールトーク」と言われる、ちょっとした会話です。ワシントンでよく聞かれるのが、生業を遠回しに聞いた What do you do? というフレーズです。I’m a researcher specializing in . . . といった形で、職業を簡単に説明して返します。また、人の往来が激しい街ならではの言葉として、なぜワシントンに来たのかを聞く What brought you to DC? もあります。こちらはもう少し複雑で、I’m an exchange student at . . . I’m here with my spouse, who . . . といった形で、来たきっかけも絡めて返します。

人間関係が苦手な筆者は、電話の前に文言を下書きし、緊張のあまり早口で読み上げて相手を混乱させたり、勇気を出して一人でレセプションに参加しても誰とも話せなかったり、といったことを経験し、場数を踏んで少しずつ自信がついてきました。これらの言い回しが少しでも役に立てれば幸いです。

紙面には画像やプロフィールも掲載していただきました