DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー、『さくら新聞』で書かせていただいているコラム「英語 de 敬語」。 今月は新年(そして2020年代!)の抱負に絡めて、目標の掲げ方を取り上げました。
My column this month in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston, touches upon resolutions for the new year (and new decade!), and discusses how to establish goals and objectives. Once again, I’m so grateful for this opportunity!
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今月は本年のみならず、2020年代の幕開けです。今年、ひいては今後10年間の抱負を立てた方も多いのではないでしょうか。抱負は道筋であり、その先にはなりたい自分という目標があると言えるでしょう。そこで今回は、目標の掲げ方に焦点を当てます。
抱負自体は個人的なもので、日記に留めておくだけの方もいるかもしれません。しかし、最近は新年の挨拶ととともにSNS等で宣言する方もいますし、会話で登場する場合もあるでしょう。 My New Year’s resolution is to exercise at least three times a week. や、 I resolve to spend more time with loved ones this year. などという言い方ができます。
ビジネスでは、目標を立てる場面が多くあります。まず、ウェブサイトなどで大きく外部に宣言する場合。実現に強い自信がある場合は、 We will eliminate plasticware in our city by 2021. など、未来形で決意を表明します。企業や団体の使命などでは、 We aim to strengthen U.S.-Japan relations. など、大局的な表現が使われます。使命を実現するための手段など、より具体的で短期的な意思表明には、 We intend to host three bilateral conferences per year. などと言うことができます。
日々の仕事における部内の目標では、数値も入れた objective を使うことが多く、 Our objective is to increase sales by 10% within the next year. などと言えます。(なお、より知名度の高い goal という言葉は、国連の SDGs(Sustainable Development Goals; 持続可能な開発目標)のように、長期的で幅広いものに使います。) Intend より具体的で口語的な plan は、 We plan to submit our draft video by next week. など、普段のやり取りの中で予定を伝える場合に使えます。
組織を立ち上げたばかりでまだ使命を書いていない場合や、実現したいことが数値で測りにくい場合にも、外部に大まかな方向性を示すことは可能です。 We are working to provide more educational opportunities to children. や We strive to instill confidence in high school girls. といった表現は、どのような理想のもとに活動しているのかを伝えることができるでしょう。
実現の目途が立ちにくい内容に関しては、希望として伝えることもできます。大局的な話では、 We aspire to bring equality to all citizens. と言えますし、職場のやり取りでは、 While I am waiting for some additional data, I hope to send you the draft report very soon. などと言えます。
目標は楽しいと同時に苦しいものです。新年や節目に明るい未来や新しい自分を思い描く過程はわくわくします。しかし、期限が過ぎた後に目標がどれだけ達成できたかを分析し、至らなかった点を反省するのは、多くの場合苦痛に感じられるでしょう。それでも毎度改善に努めるからこそ、私たちは前に進むことができます。2020年、そして今後10年間が皆様にとってこれまで以上に良いものになることを祈念します。