心をつなぐ英語 ⑥ 独立の切り出し方

Introduction (the full text in Japanese continues below (日本語の本文が続きます)):

さくら新聞』(DCとヒューストンのコミュニティ・ペーパー)における連載の最新記事です。米国で7月といえば、やはり独立記念日です。現代を生きる私たちも、普段の生活の中で独立を宣言することがあります。特に米国では、転職を繰り返す中でスキルを身に着け、組織を辞めて起業する人も多いでしょう。(私もその一人です。)第6回では、その覚悟を決めた後、所属している組織に対して丁寧に独立の意思を伝える方法を模索します。

“Compassionate Phrases in English (#6): Communicating Your Intent to Become Independent”

Here’s the latest article for my column in “Sakura Shimbun,” a Japanese community paper in DC and Houston. We’ve just commemorated Independence Day in the U.S. While circumstances are very different, in our professional lives, we often become independent, too, by leaving our organization and starting our own businesses. But it’s very important to maintain strong relations with our former employers, especially since it’s thanks to them that we’ve built our own network and skills. In this issue, l explore how to communicate your intent to leave in a polite, thoughtful, and constructive manner.

The article is also online here.

米国で7月といえば、やはり独立記念日でしょう。BBQや花火を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。18世紀の独立戦争と状況は異なりますが、現代を生きる私たちも、普段の生活の中で独立を宣言することがあります。特に米国では、転職を繰り返す中で特定のスキルを身に着け、最終的に組織を辞めて起業する人も多いでしょう。今回は、その覚悟を決めた後、所属している組織に対して丁寧に独立の意思を伝える方法を模索します。

最初に公式な形で独立を伝えるべき相手は、おそらく直属の上司です。これまでお世話になったことへの感謝の言葉から始めるといいでしょう。I’m very grateful for all that this company has done for me. といった組織全体への言葉だけでなく、Thanks to your guidance and mentoring, I’ve gained a lot of experience over the years. など、上司個人への謝意も伝えることが大切です。

次に、なぜ独立したいかを説明します。大きな企業や組織ではできないことを達成することが目的でしょうから、具体的に何に取り組みたいのか、簡潔に話すとよいでしょう。The last few projects I worked on with you taught me about the language barrier in rural villages, and now I’d like to create an organization that focuses on linguistic matchmaking services. など、これまでその上司としてきた仕事と絡めると、より共感してもらえるでしょう。

上司や組織からすれば、辞めるタイミングや引き継ぎが切実な問題です。I’m happy to stay until our Annual Conference in September. と繁忙期が終わるまで残る予定であることを示したり、If it’s appropriate, I’d love to help search for candidates or train my successor. など、手伝う用意があることを伝えると安心してもらえるでしょう。転職と違って急いで辞める必要がないため、前広に独立の意思を伝えて長めに残った方が、印象を悪くすることなく退職できるでしょう。

最後に、今後その組織とどのような関係を築きたいかを説明するといいかもしれません。その組織と似たようなサービスを提供するなら、競争相手になってしまう可能性もあります。I’d like to maintain a strong relationship with this organization, and I’d love to help in any way I can. と明言し、I’d appreciate it if you can consider me a potential contractor, or maybe even refer me to other clients when you can’t take on a job. などと具体案を出すと、その組織と顧客を取り合う意思がなく、むしろ協力していきたいことが伝わるでしょう。

筆者も組織で働いてから独立しましたが、そこで培ったスキルや人脈を今の仕事で大きく活用しています。過去の上司には、独立後も仕事をいただいたり、顧客に紹介していただいたりと、お世話になってばかりです。独立を「別れ」ではなく、「関係の変化」と捉えれば、末永く一緒に仕事をし続けられると思います。

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